ロシアの新軍事ドクトリン、捨てきれぬプライド | カテゴリ その他 |
「ロシアの国家としての存続を脅かすような通常兵器による侵略に対しては、核兵器の使用を辞さない」
5日、報道各社によるとロシアの新軍事ドクトリンが承認されました。
上記はその内容の一つですが、核兵器による反撃の可能性が明記されています。
核軍縮へ逆行するものなのか。
経緯を見る限りでは、もはや超大国ではないロシアの捨てきれないプライドと打算が伺えます。
オバマ政権の2011年度予算教書では、核の安全保障政策費が前年比13.4%増となりました。
金額は110億ドル(約9,900億円)。
この内、核兵器の性能維持に必要な費用は70億ドル(約6,300億円)です。
自衛隊の防衛予算は約4.8兆円。
核保有を推奨する訳ではありませんが、核兵器による防衛は桁違いに割安です。
核兵器の保有には不思議な前提があります。
相手国の侵略、又は核兵器による先制攻撃です。
ところが確実な反撃が見込まれるため、テロやクーデターなどの特殊ケースを除き、理屈上は核戦争は起こり得ません。
「抑止」という名の稚拙な理屈ですが、大国はこの極めてシンプルで矛盾した原理に基づき核装備を整えてきました。
貯まりに貯まった各国の核弾頭数は、平成21年度防衛白書によると米国5,576、ロシア3,909。
5大国の残り3カ国では英国185、仏348、中国176。
米露が核弾頭を減らしたくなる気持ちは分かります。
今回のドクトリンでは、昨年騒がれた地域紛争などに対する核使用の可能性には言及されませんでした。
対外的には「核なき世界」へのある程度の配慮と見られていますが、本来の狙いは膨れ上がった核弾頭を削減して経費を減らしつつ、東の盟主としての存在感を示すことです。
ロシアのGDPは米国の8分の1以下で、本来は東も何もありません。
無用の儀式に感じますが、経緯はどうあれ核弾頭数削減の流れがなんとか続くことをひとまず評価したいと思います。
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