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「TR-52」ソニー10万台キャンセル事件とサントリー
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「10万台のオーダーを出そう。ただし、ソニーブランドでは売れない。ブローバーの商標をつけることが条件だ。」(「ソニーはどうして成功したか」より)

1955年4月、東通工(現ソニー)の盛田氏は、苦境に立たされていました。
TR-52は東通工初のトランジスタラジオ。
アメリカの大時計会社ブローバーが関心を寄せ、商談に臨んだところそう切り出されました。

10万台の注文は欲しい。
ただ他社の商標をつけるのは軍門に下ることになる。
それでいいのか。

盛田氏はこの商談を蹴りました。
同等な立場で、お互いの利益のために交渉するのが経営者のあるべき姿。
「TR-52、10万台キャンセル事件」はこうして幕を閉じました。
ソニーはその後“世界のソニー”となります。

8日、サントリーはキリンとの統合交渉が決裂したことを発表しました。
自社発表では「統合比率をはじめ、キリン社との間に認識の相違があり」と明記され、「1:0.8」の統合比率がやはりネックとなったようです。

2008年12月の連結売上は、サントリー1兆5,130億円、キリン2兆3,036億円。
キリンは1.5倍以上の売上を誇り、単純に比率換算すると「1:0.66」。
クレディ・スイス証券が試算したサントリーの理論時価総額でみると「1:0.6」が妥当で、キリンとしては0.8はかなり譲歩したラインと言えます。

グローバル競争の中でサントリーが単体で生き残る難しさは、社長自身も表明しています。
食品・飲料会社世界3位の米ペプシコは、2008年12月期の売上約433億ドル(約3兆8,970億円)。
サントリー・キリン連合の3兆8,166億円はこれにほぼ匹敵し、世界の中では小粒企業の多い日本においてメジャー選手となれるチャンスでした。

よく決断したな。
トヨタ以外に世界で戦える企業となれる機会はまずありません。
サントリーが求めたのは対等合併。
創業家一族に傲慢さの気配が無いわけではありませんが、経営者としてはあるべき姿だと思います。

食品世界トップはネスレ。
2008年の売上高は、約1,100億スイスフラン(約10兆2,900億円)です。


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